どの業務もそうですが、経審業務も非常に奥が深くて、よく理解し経験を積んでいないと適切な判断やアドバイスが出来ない業務です。
そして、適切な判断やアドバイスが出来ないということは、「本来得られるべきだった点数を得られない」とか「余計なコストがかかってしまった」とかいうことになり、会社の大きな損失に繋がりかねません。
では、「実際にどんな認識の誤りがあるのか?」ということで、今までにあったものをまとめてみました。
建退共か中退共はどっちかに入っていれば良い
これは大きな誤りです!でも実際にあったことなのです。
弊所が関与するまでは建退共のみに入っていたので、その理由をお聞きしたところ、どちらかに入っていればマックスの加点が得られると思っていらっしゃいました。
正しくは、建退共は建退共、中退共は中退共で別個に加点されます。
勘違いの理由として、1人の人が建退共と中退共の両方に入れないということがあるのかもしれませんが、会社としては両方に入らないと両方の加点は得られません。
しかもそれぞれ約20点という絶対落とせない大きな加点!!必ず両方の加点を取りましょう。
※中退共ではなく、会社の退職金制度などでもOKですよ。建退共は建退共でないとダメです。
自社ビル持ってた方が点数は上がる
自社ビル=固定資産ですが、固定資産が多い方が点数が上がると思われる方がいらっしゃいます。
このあたりは複雑な経営状況に関する計算式を使って計算するところで、一概には言えないのですが、自社ビルをド~ンを買うことで点数が下がることは多いです。
借入をして買った場合は、自己資本比率が下がります(高い方が◎)。キャッシュで買うと、自己資本対固定資産比率が上がります(低いほうが◎)。
借入をすると支払利息も発生しますので、購入するタイミングも気を付けたいところ。
もちろん自社ビルに限らず、固定資産になるものであれば同じです。
今年も3年平均にしないといけない
工事高の計算において、ずーっと3年平均を採用しているので聞いてみたところ、去年もそうだったので今年も3年平均にしなければいけないと思っていた、ということがありました。
経審の完成工事高の点数は、2年あるいは3年の平均完成工事高から出します。有利な方を選んでよく、「一昨年は2年平均だった、去年は3年、今年は2年の方が有利だから2年にしよう!」と、その年によって変えていただいて全く問題ありません。
これも大幅に点数を損している可能性があり、ゾッとしてしまう勘違いです。
決算書通りに作っていかなければならない
税理士さんが作成される決算書は税務申告用のものです。私たちが作成する経審で使う財務諸表は、税理士さんが作成されたものを元にはしていますが、内容を変えることもあります。
例えば、
・工事原価の中に現場の方ではない方の給与が入っている
・雑収入の中に受取利息が入っている
・支払利息の中に利息じゃないものが入っている
など。
これは問題なく認められているものです。最終的な純利益は変わりませんが、その中の売上総利益、営業利益、経常利益が変わってくる可能性があり、それが点数にも影響します。
そのまま転記しなければいけないわけではなく、むしろ内容をよく把握して正しく振り替えていく必要があるのです。
正当な評価を受けよう!
本当は800点取れたのによく分かっていなくて750点になってしまった。これが非常に悔しい状況です。
なぜなら、800点に値する会社の力があったはずなのに、正しく申請出来なかったためにそれより低く評価されてしまうからです。
もちろん経審は必ずしも高い点数が良いわけではなく、調整される会社様もありますので、見かけ上の経審=その会社そのものズバリの力、とは言い切れません。
しかし点数をあげていきたい!と思っている会社様にとっては、上げたいと思っても簡単には上がらないのが経審なのです。取れる点数はしっかり取り、最大限に正当な評価を受けるべきだと思います。そのために、経審を正しく理解し、正しく申請することが大切です。
ブリジアスは、経審業務を専門としています。点数アップや今後の方針について、お気軽にご相談ください。