今年には運用が始まるにあたり制度の開始を注目していましたが、ついにお客様からも「これってどんな制度ですか?」「必ず登録が必要ですか?」とお問い合わせをいただき始めました。頑張って分かりやすくまとめてみたいと思います!
建設キャリアアップシステムとは
このシステムに登録するのは技能者一人ひとりです。各個人にIDが与えられて、ICカードが交付されます。
ICカードにはどんな情報が入るのかというと、
・いつ、どの現場に、どの職種で、どの立場で働いたのか
・どのような資格を持っているか
・どんな講習を受けたか
こういった登録情報をもとにして、技能者の評価を適切に評価しよう!というものです。
適切に評価されることで得られる利益として、
・技能者の能力や経験に対して適切な処遇がされるようになる
・事業者(建設会社)の施工能力が見えるようにする
・現場管理が効率化される
といったことがあります。
業界全体を見れば、技能者の高齢化、若者離れといった問題がある中で、建設業をこれから支えていく優秀な担い手を確保し、育成しよう!という大きな狙いがあります。
確保・育成のためにはそれぞれの力に応じて適正に評価され、適正な処遇を受けられることが大切。
更には、自分自身の持つ実績や資格を明確にすることで、そのための建設キャリアアップシステムです。
もっとメリットを詳しく解説!
技能者にとってのメリット
・自分自身の技能や経験を簡単に、客観的に蓄積できる
・経歴を証明しやすくなり、事業者も明確に分かるので、力にあった適切な評価ができる
・働いた履歴が明確に分かるので、建退共の証紙の貼付状況を簡単に確認できる
会社にとってのメリット
・現場に入る技能者一人ひとりの社会保険加入状況の確認が効率的にできる
・施工体制台帳や作業員名簿の作成の手間・ミスを減らす
・建退共の事務作業がカンタンに
デメリットは?
まだ制度が始まったばかりのため、運用した上でのデメリットではありませんが、思いつくものとしては、下記のようなものでしょうか。
▼システムに情報を登録することや管理することの煩雑さ
一番最初の申請はもちろんのこと、その後、例えば技能者が入退社する都度、資格を取る都度のデータ変更が必要になります。
会社情報の打ち込みよりも技能者一人ひとりの情報をとりまとめる方が大変な印象です。
▼費用
技能者の利用料金はインターネット申請の場合で2,500円/10年有効。
会社側の利用料金は資本金によって異なり、例えば資本金2,000万円ですと24,000円/5年。
ほか、管理者ID利用料が年2,400円、現場利用料が就業履歴回数1回につき3円などがかかります。
必ずやらなければならないのか
現在は登録は義務ではなく、「システムの意義や効果に賛同される多くの元請事業者・下請事業者・技能者から広く普及していくものと考えられます」と記載されています(一般財団法人建設業振興基金サイトより)。
しかしやはり国交省主導で大々的に行われているもので、5年後100%加入を目指して取り組みが始まっています。
将来的には「技能や職歴に応じた統一的な能力評価基準の策定」「専門工事業者の評価」などに繋げたい、とのことなので、業界団体、省庁関係の工事などから普及の取り組みが始まり、ゼネコン、下請事業者…と広がっていくと思います。
そして、登録している人としていない人が共存している状態では現場事務も余計煩雑になるだろうな…とも考えられます。
義務ではないけど、仕事をするには登録が必要!そんな流れで広まっていくのではないでしょうか。
運用の開始時期
技能者申請については4月から申請書配布が始まり、順次受付がされています。インターネット申請は6月頃からのようです。事業者申請は4月下旬に申請書取り寄せが可能になるようです。その後、順次受付開始し、インターネット申請はやはり6月頃の予定です。運用は10月頃予定とのことです。
2018年5月10日現在、インターネットからの申請書を取り寄せられるページを作成中とのこと!
(追記)2018年7月26日現在
・現在、郵送申請用の申請書も取り寄せ可能。
・インターネット申請もスタート。
(追記)2018年8月16日現在
・運用開始時期の延期が決定!2019年4月から
登録したい!という方へ
お客様からは「登録がとても大変そう…」というお言葉をお聞きしました。初めてのシステムなので、分からないことも多く、また技能者が多い会社様にとっては登録数、登録事項も多くてはじめはとても大変かもしれません。
弊所では30年9月上旬頃より登録代行を行う予定です(正確な時期は未定)。現在準備中ですが、代行をご依頼の方はお気軽に問い合わせください。
行政書士法人ブリジアスでは、建設業許可、経審申請、入札参加資格申請など、建設業に関する手続きのご依頼を承っています。許可を取りたい方、経審点アップ、格付アップをしたい方は、お気軽にお問い合わせください。