スタッフ笹森です。
解体工事には「建設業許可」が必要なケースと、「解体工事業登録」だけで良いケースがあります。この違いを正しく理解していないと、知らず知らずのうちに法令違反になってしまうリスクもあります。
今回は、解体工事への参入を考えている皆様に向けて、その境界線をわかりやすく解説します!
1.500万円が大きな分かれ道
解体工事を請け負う際、まず確認すべきは「請負金額」です。
・1件の請負代金が500万円(税込)未満の場合
→ 都道府県知事への「解体工事業登録」をすれば工事が可能です。
・1件の請負代金が500万円(税込)以上の場合
→ 建設業法に基づき、「建設業許可(解体工事業)」が必要になります。
2.建設業許可を持っていれば、登録は不要?
ここが少し複雑なポイントです。結論から言うと、特定の種類の「建設業許可」を持っている方は、解体工事業の登録をする必要はありません。
具体的には、以下の3つのいずれかの許可を持っている場合です。
・ 土木一式工事業
・ 建築一式工事業
・ 解体工事業
「土木一式」「建築一式」の許可をお持ちであれば、500万円未満の解体工事にあたり、別途「登録」をする必要はありません。
逆に言えば、たとえ建設業許可業者であっても、土木一式・建築一式・解体工事業者以外の場合は、500万円未満の解体工事を行うには「解体工事業登録」が必要になります。
例えば、以下のようなケースが該当します。
▼専門工事店(リフォーム店など)の場合
・ 保有許可:「内装仕上工事業」の許可(建設業許可)
・ 工事内容:リフォーム工事に伴う、500万円未満の建物解体工事
・ 必要な対応:「内装」の許可では解体工事はできません。解体工事の実績が少なく「解体工事業の許可」を取る要件を満たしていないものの、解体工事業登録の要件は満たしている場合は、「解体工事業登録」をして500万円未満の解体を請け負うことになります。
→ この会社は「建設業許可業者(内装)」であり、かつ「解体工事業登録業者」となります。「解体工事業の許可」の取得には、実務経験や国家資格者が必要です。「解体工事業の登録」の場合、実務経験年数の要件が少し緩やかであるため、まずは「登録」で小さな解体工事の実績を積み、将来的に「許可」を目指す建設業者もいます。
3.とび・土工の経過措置は終了しています
以前は「とび・土工工事業」の許可があれば解体工事も行うことができましたが、制度が変わりました。
令和元年(2019年)6月1日をもって経過措置は終了しています。現在は、「とび・土工」の許可だけでは解体工事を行うことはできません。
必ず「解体工事業」の許可を取るか、登録を受ける必要がありますのでご注意ください。
4. 現場が県外になる時は要注意!
横浜市(神奈川県)に営業所がある会社が、町田市(東京都)で工事をする場合を考えてみましょう。
▼建設業許可(解体工事業)を持っている場合
神奈川県知事の許可であっても、工事自体は日本全国どこでも行えます。
▼解体工事業「登録」で工事を行う場合
登録は、「実際に工事を施工する区域」ごとに必要です。
つまり、横浜市の会社が東京都内の現場で解体工事をするなら、東京都知事への登録が必須となります。営業所があるかないかは関係ありません。
複数の都道府県で活動する場合は、それぞれの知事に登録申請を行う必要があるので、スケジュールに余裕を持って準備しましょう。
まとめ:あなたの会社に必要な手続きは?
最後に、ポイントを整理します。
・ 500万円以上の解体工事をするなら、必ず「建設業許可」が必要。
・ 500万円未満なら「解体工事業登録」でもOK。
・ ただし、「土木一式」「建築一式」「解体」の許可があれば解体工事業登録不要。
・ 解体工事業登録の場合は、工事を行うすべての都道府県で申請が必要。
解体工事は建設リサイクル法などの環境規制も厳しく、適切な手続きが強く求められます。自社がどの区分に該当するのか判断に迷う場合や、手続きの進め方でお困りの際は、専門家への相談を検討してください。
神奈川県横浜市の行政書士法人ブリジアスは、建設業に特化した行政書士法人です。建設業許可に関するお困りごと等がございましたら、お気軽にご相談ください。


