最近ちょっと続いたこのテーマに関するご相談。
かなり頭の痛い問題なので、注意喚起として神奈川県のルールを解説します。
経管や専技はその会社に常勤です
建設業許可の要件である経管(=経営業務の管理責任者。ケイカンと読みます)と、専技(=専任技術者。センギと読みます)は、その許可業者に常勤している必要があります。
その営業所に、営業している時間帯は基本的にずっといて、建設業の経営を管理したり、技術上のことをチェックしたりする役割の人たちになります。
ずっといなくても良い緩和措置もありますが、それはあくまでも自社の仕事の関係上のことで、他社に重複して勤めるなどはNGです。
常勤していることの証明方法はいくつかありますが、代表的なのは以下の通り。※神奈川県の場合
・代表取締役である(後述します)
・その会社名が入った健康保険被保険者証を持っている
・その会社で住民税の特別徴収をしている
・年間130万以上の役員報酬を受けている など
代表取締役はその会社に常勤していると推定されます
そしてこちらは神奈川県独自のルールということになりますが、代表取締役はその会社に常勤していると推定されます。
したがって、代表取締役の方が、上の経管や専技になろうとするとき、代表取締役であることは法務局で取る会社謄本を見ればわかりますので、社会保険とか住民税とかの書類を出さずに常勤性を証明することができます。
では、経管や専技が他社で代表取締役をしていたら?
さて。
では、A社で経管・専技になっている方が、B社の代表取締役である場合はどうでしょう?
経管・専技になっているということは、A社で常勤証明をすることができたということです。一方で、B社で代表取締役ということは、B社でも常勤であるかのように見えてしまします。
そこで神奈川県では、下記のようなルールを設けています。
他社で代表取締役に就任している者は、経管・専技にはなれません。
つまり、A社で経管・専技、B社で代表取締役はルール違反になります。
A社で経管・専技として申請をする時点で、他社で代表取締役になっている場合は許可要件を満たしません。
また、許可を取った後に他社で代表取締役になった場合も、その日時点からルール違反状態になってしまいます。
そして、有限会社の一人取締役も他に役員がいないという点で常勤であることが推定されますので、同様に他社の経管・専技にはなれません。
では、「他社で代表取締役」でもOKな例外
代表取締役が2名以上いて、Aさんは常勤、Bさんは非常勤という場合、Bさんは他の会社で経管・専技になることが出来ます。
この場合は、Aさんからの非常勤証明をもらうか、申請する会社での常勤性を証明することになります。
どんなことでも相談してください
経営者様は複数の会社の経営者になる場合が多くあります。事業拡大に伴ってのことなので、当然だと思います。
しかし現状神奈川県がこういうルールを取っている限り、建設会社の経営の要となる建設業許可の維持に危険を及ぼすルール違反を犯すことは大変怖いことです。
とはいえ細かいルールまで把握するのはなかなか大変なことです。「これはどうかな?」と思うことは、小さなことでもご相談いただければと思います!
そして、神奈川県のこのルール(他社で代表取締役は経管・専技にはなれない)は、時代と実態に合いませんので、変わっていくべきことだろう…と個人的には思います。
ブリジアスは、建設業許可・経審業務を専門としています。お気軽にご相談ください。