スタッフ笹森です。
CCUS(建設キャリアアップシステム)は、建設技能者一人ひとりの資格や就業履歴を業界統一のルールで蓄積する仕組みです。
国もその普及を後押しする制度を設けています。
今回はそのひとつ、「人材確保等支援助成金(建設キャリアアップシステム等活用促進コース)」についてご紹介いたします。
助成金の概要:CCUS活用が支給の必須条件
1.対象となる事業者
以下の条件を満たす中小建設事業主が対象です。
• 資本金の額が3億円以下、または常時雇用する労働者数が300人以下であること。
• 雇用保険料率が17.5/1,000であること、もしくは建設業の許可を得たうえで、
雇用保険料率が17.5/1,000以外であること。
2.支給額
対象となる従業員1人あたり16万円、一事業年度あたり最大160万円が支給されます。
この原資を活用して、さらなる人材投資を検討することができます。
3.対象となる取組
助成金を受給するための取組は、CCUSの活用が前提となります。
1. CCUSへの技能者登録【必須】
雇用する全ての建設技能者について、CCUSの「詳細型」での登録を完了させる必要があります。レベル判定を受けるためには詳細型登録が不可欠です。
2. CCUSレベル判定と5%以上の賃金アップ
CCUSの能力評価制度でレベルが上がった技能者の賃金を5%以上引き上げることが求められます。
申請の流れ:CCUS導入から助成金受給まで
1. 計画届の提出
・ 賃金を引き上げる月の6か月から2か月前までに、管轄の労働局へ提出します。
2. CCUSでの取組
・ 技能者登録:雇用する全ての技能者のCCUS「詳細型」登録を完了させます。
・ 昇格の評定:CCUSの能力評価制度で、技能者のレベルアップ判定を受けます。
3. 賃金改定
・ レベルアップした技能者の賃金を5%以上引き上げて支給します。
4. 支給申請
・ 全ての取組完了後、支給申請書を提出します。審査を経て助成金が支給されます。
※技能者登録や昇格の評定が、計画届の提出前に行われていても助成対象となります。
CCUSに関してよくある質問
Q1. 建設キャリアアップシステム(CCUS)とは何ですか?
A1. 建設技能者一人ひとりの資格や現場での就業履歴などを登録・蓄積できる仕組みです。このシステムにより、技能者の能力が客観的に評価され、適切な処遇改善につなげることができます。
Q2. 技能者登録の「詳細型」とは何ですか?
A2. 技能者登録には「簡略型」と「詳細型」の2種類があります。この助成金の要件であるレベル判定は「詳細型登録」をしていなければ行えません。就業履歴の蓄積などに加え、保有資格なども登録することで、能力評価(レベル判定)が可能になります。
まとめ
「人材確保等支援助成金」は、CCUSを活用して従業員の待遇改善に取り組む中小建設事業主様を支援する制度です。
この助成金を活用することは、従業員の賃金アップと人材確保の両立につながります。また、その土台となるCCUSの導入は、従業員のキャリアパスを明確にし、公正な評価制度を築くための大切な一歩です。
行政書士法人ブリジアスでは、CCUSに関する手続きのサポートを承っております。また、助成金の申請につきましては、社労士の紹介も可能です。どうぞお気軽にご相談ください。

