ケーススタディ

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【2014年8月】経審:希望の格付けへ。見えないところを予想する

【2014年8月】経審:希望の格付けへ。見えないところを予想する

ご紹介からご依頼を頂き初めて2年目となりました。経審の手続きも2年目となります。今年は横浜市はじめ、2年に一度の入札参加資格申請の年。

売上の大部分が公共工事という、5月決算のこちらの会社様。ランクを少なくともキープすること、そして出来れば業種によってはランクを上げることがご希望です。

 

決算期による利点

5月あるいは6月決算の会社様の場合、申請のタイミングによっては昨年度の経審、今年度の経審のいずれかを出すことが出来るため、シミュレーションもより複雑になります。しかし制度上どちらを出しても良い点は、利点と言えます。

※正確に言うと、入札参加資格申請をする時点で持っている最新の経審結果を出すことになります。そうではないところもあるので要注意です。

そしてシミュレーションをするうえで問題なのは、「経審で何点取れればこのランクが取れる!」という明確な答えが無いことです。

横浜市の場合は来年度以降の入札参加資格申請が10月に行われましたが、ランクを決める点数表みたいなもの(発注標準金額一覧)は来年にならないと出ません。分からない中での予想をしていくことになります。

【主観点を予測する】

そもそも主観点って何なのか?って話ですが、ランクを決める要素の一つ。

ランクを決める点数は、[経審の点数+主観点]で構成されています。経審の点数は全国共通、主観点はその自治体ごとに決めることが出来ます。

横浜市の場合は、工事成績や建設業労働災害防止協会への加入の有無などが項目となって主観点が出ます。

この工事成績は来年の1月くらいまでに成績が出たものが反映されるので、今年10月に申請した時点では未来のことなので分からないんですよね。工事成績は過去4年分が対象となり平均化されますが、大きく影響しないとも言い切れません。

お客様から工事成績データを全部頂き、計算。100%確実ではないですが、『おそらくこの業種は○点~○点だろう』と予測しました。

【2年より3年の方が無難だった】

経審を受ける際、完工高が審査対象となります。この完工高は2年平均か3年平均を選んで良いことになっているので、自社に有利な方を選びます。

が、「2年にすると土木はイイんだけど、水道のランクアップは無理になる」とか「3年の方が全体的に上がるけど、舗装のランクが落ちてしまいそう」とか、こっちを取ればあっちが、みたいな状況が起きたりするわけです。

全部が叶えられない場合は優先順位で決定していくしかありません。

またこの会社様の場合は、①前年度経審か、②今年度経審か、③今年度経審なら2年平均か3年平均か、というところで、3パターンに分けてシミュレーションを行いました。結果、今年度の経審を3年平均で受けることに決定しました。

【技術者名簿での調整も】

資格者の方の場合、複数の業種の技術者としての申請が出来ます。が、最大2業種まで。

例えば一級土木施工管理技士の場合、土木・とび・石・鋼構造・舗装・しゅんせつ・水道の業種の中から2業種選択して申請が可能なのです。

ここで調整を図ることも出来ます。

ただ、実務経験者の場合には10年で1業種という制約があるので前回申請内容とのズレがないように気をつけなければいけません。また現場代理人の実務経験証明のための簡易な方法として経審の技術職員名簿が使われることもあるので、点数アップを最重要視するのか、その後の手続きの簡便さを考えるのかを、一応は検討しないといけません。

 

結果としてどうなったか

主要3業種のすべてが、今の入札参加資格のランクを構成している経審点数よりも上がりました。「ランクを上げたい!」とご希望の業種については60点アップ。おそらく現在の工事成績を考えると、ご希望通りランクも上がると思います。※来年2月下旬頃分かります。

より多くの入札機会を得るためにランクアップをご希望でした。来年度以降、また新たなステージが広がっていきます!楽しみです。

第2のご希望であった、もう一つの業種のランクアップは中長期的に取り組んでいく必要があります。

 

顧問としての関わり方へ

経審申請後、お客様からご提案頂き、顧問契約をとさせて頂くことになりました。年1の手続きでは出来ないこともあるのです。より継続的に関わらせて頂きながら、情報の行き来を確実にし、ガッチリサポートをさせて頂きたいと思っています。

申請時期2014年8月
申請内容経営事項審査
許可種類神奈川県知事/一般
事業形態法人/横浜市緑区
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