ケーススタディ

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【2014年8月】経審:適正に申請したら54点上がった

【2014年8月】経審:適正に申請したら54点上がった

手続きまでの経緯

ご紹介頂いたお客様からのご依頼でした。

3.11東日本大震災で経営にも大きなダメージを受けたとのこと。メイン事業は建築一式工事、その他内装工事や塗装、防水工事です。

以前は公共工事を多く行っていらっしゃいましたが、【経審点悪化→格付ダウン】につき、狙う価格帯の仕事に入札することが出来なくなってしまいました。

『1点でも点数をあげ、格付を以前のように戻し、公共工事を取りたい』

これが経営者様の意向でした。この夏、初めてのご依頼を頂戴しました。

 

まずは経審の結果通知書を見る

経審を受けている業者さんの経審結果はインターネット上で公開されています。
>>CIIC 一般財団法人 建設業情報管理センター

会社名と許可行政庁が分かれば検索できます。

(余談ですが、これを見るのはなかなか楽しく、「前期何があったんだろう…」「この規模でこの支払利息…」と想像が膨らみます。)

結果通知書を拝見しながら、確認をしていきます。最も点数に影響が出やすいのは【社会性の項目】。例えば保険加入や退職金制度が[無]になっていたら理由を聞くなどして何とかプラスになるところは無いか探していきます。

あとは漏れている技術者の方がいないか、2年平均と3年平均の違いを把握していらっしゃるかなど確認していきます。

 

【判明したことその1:制度があったのに[無]】

実は退職金制度が自社にあったのに、それがカウントされていませんでした。お客様から「こういうの自社にあるんだけど、使えないよね?」と聞いて頂いたことがきっかけでした。

確認し、使えることが分かり、これで一気に21点アップです。何故今までカウントしていなかったのでしょうか…悔やまれます。この差で格付に変動が出たんだとしたら、経営にとっては大きな損害です。

【判明したことその2:工種分けがちょっとおかしい】

一つの工事はかならず何かしらの工種に分けるのが、建設業許可や経審の考え方です。

例えばよくあるのが、建物の外壁の塗装工事。でも防水工事の意味合いもある。「塗装工事?防水工事?どっち?」ということになります。

この場合、その工事の目的などを勘案して決定することになります。結構微妙な場合も多く、都合のよい方に動かしてしまいやすいところではありますが(もちろん実態と違う工種にしたらダメです)合理的な理由のある工種分けをしなければいけません。

そして、「下請工事は一式工事に入れてイイのか?」という問題があります。実は各都道府県により考え方が様々です。しかしここは神奈川県。その許可行政庁のルールに則って手続きすることが正解だと考えています。

今期の申請では決算変更届の段階から工種分けを適正に行いました。

 

【今回初めての挑戦】

建退共制度にも加入。こちらの手続きも少しだけお手伝いしました。これでも21点アップ。大きいです。

 

結果としてどうなったか

主に上記3点が前回の手続きと異なる点でした。

結果、54点のアップとなりました。売上高は7%増、利益は14%増。売上高アップや利益額のアップがそれほど大きく経審点数に影響しないことを考えると、54点は大幅なアップです。これまで適正に手続きされていなかった2点だけを考えても30点くらいはアップしている計算です。

まだ来年度の格付点数は公表されていませんが、主観点を含まない経審点数だけで格付が上がることがほぼ確定しています。

(追記)
予定通り平成27・28年度の入札参加資格では格付を上げることが出来ました。

 

さぁ次はどうしよう

「点数を1点でもあげたい」という経営者様のご意向に変わりはなく、今後は財務状況を改善させていくことに注力していきたいと考えています。

なかなか上げるのが難しいと言われている経営状況分析点=Y点。しかしここの改善が自己資本額の点数=X2点も繋がるので無視できません。

次なるステージへ向け、ご提案を続けて参ります。

申請時期2014年8月
申請内容経営事項審査
許可種類神奈川県知事/一般
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